鸚鵡貝は原始的な頭足類の生き残りで、色々と面白い特徴を持っている。
タコ、イカの足に相当する触手は60本以上あり、吸盤が無い代わりに粘液が分泌されて いて、飼育下ではこれを使って岩などにくっつくのが観察されている。
また、普段私たちが目にするタコやイカの目は高度に発達したカメラ眼だが、鸚鵡貝の目 にはレンズに当たる水晶体が無く、穴があいているだけで、中には海水がそのまま入って くる。
最大の特徴は巻き貝のような殻だが、巻き貝と違って奥まで身がつまっているわけでは ない。大部分は隔壁で仕切られた部屋になっており、中にはガスがつまっている。
彼らはこのガスの浮力によって海中を浮遊して生活しているのだ。
そういえば多くの頭足類は食べると大変美味いが、鸚鵡貝はどうなのだろか?
....いきなり変な方向へ話が脱線してしまったようだ。
絵についてだが、例によって何も考えずに人物から描き始め、泥縄の合成を手作業で やる羽目になった。背景が日食なのはどうにも釣り合わない暗い海と人物の光源を摺 り合わせようとした結果だが、かえって傷口を広げたような気がしないでもない.... これもいつものことではあるが。
タイトルはいいものが思い浮かばなかったので適当に考えた字訳である。
見ての通りの絵なので、本来は深淵行きのつもりで描き始めたが、それほどでも無かろ うとこちらに置くことにした。(謎の判断基準....)
* 冒頭の詩は松田イ太郎氏。素晴らしい詩を頂き、感謝します。 |