■ 1999/11/02
前回の予告通り、人型機械、知能機械等に関する個人的定義をまと めてみた。
・サイボーグ
身体の機能を部分的に機械装置に置き換えた生物。必ずし も元の生物の姿と同一である必要はない。
定義(1): 狭義には、身体を二つ以上の異なる機能を持つ部品を 組合わせた機械装置と置き換えたもの(ペースメーカー 等)から、脳以外の全てを機械化したものまでを含む。
定義(2): 広義には、人工関節や人工水晶体、義歯などの単機能 の部品からなる埋め込み型補助器具(眼鏡など、自由に 取り外し可能なものは含まない)を埋め込んだ人間から、 性格や経験、記憶など、特定の人間(個人でなく、複数 の人間でも構わない)の脳の機能の一部を機械装置に コピーしたもの(*0)までを含む。
・ロボット
定義(1): 人間の労働を代替する機械。人間が行なう各種労働を、 ある程度自律してこなさなければならない。産業用ロボ ット、自動販売機などが含まれる。
例外として、極限作業ロボットなどの遠隔操作型の機械 も「人間の行けない危険な環境で人の代わりに作業する 機械」ということで、ロボットであるとされる。(*)
(*) したがって鉄人28号はロボットであるが、マジンガーZ 等は定義(1)でのロボットに含まれない。
定義(2): 何らかの生物(空想上の生物を含む)を機械的(*)に模 した装置。某猫型ロボット、ペットロボット、マジンガーZ、 モビルスーツなど。
(*) たまごっち等の電子ペット、仮想現実上にしか存在し ない人工人格などはこれに含まない。
・アンドロイド
定義(2)のロボットのカテゴリーの一つ。
知能の有無にかかわらず、人間に非常に近似した外見を持 ち、人間を模倣した機械。テーマパークの有名人型ロボット から、家政アンドロイドのHMX−12(*2)や人間以上の能 力を持つ合成人間である特捜司法官のジョーカーまで、人 工的に作られた擬人機械全てが含まれる。
・人工知能(A.I)
「人間の知能」の全て、あるいは一部を機械によって実現し ようとしたもの。
エキスパートシステムや、ご飯を美味しく炊きあげる炊飯機 (笑)から、人間以上の知的能力を持つ人工島ガーディアン (*3)まで様々な段階ものを含むが、一貫して人間の知的 能力を人工的に再現しようとした物を指す。
・機械知性
前出の人工知能と似ているが、必ずしも人間の知能を模倣 している必要はなく、人間とは全く異なった論理形態/価 値観をもつものもあり、人間に理解できない思考をするもの も少なくない。
というよりは、機械知性の特殊な例が人工知能であり、機 械知性に包含される概念といえるだろう。
これらの定義については、各種SF作家とそのファン、家電業界人、科 学者、技術者等が好き勝手に呼称しているのが現状であり、それらを出 来るだけ取り込んだ結果、個別には不明瞭な定義となっていることは否め ないが、これらの定義は厳密なものでなく、互いに包含・規定しあうもので あり、複数のカテゴリーに属する存在もある。
定義の穴や矛盾もあると思うが、とりあえずこんな所だろう。間違いや見 落とし等の指摘、質問、ご感想は随時受け付けますので、メールかBBS までどうぞ。
(*0)ショーシャ606(Bibliothe`que Live(c) 佐藤明機)等。 死亡した個人の貯蔵人格(複数)を元に再構成された有機 体殻を持つアンソロジー知性体。メインランド中央図書館の 司書だが、何故かメイド服。
(*1)ジョーカーシリーズ((c)道原かつみ)に登場する、司法コンピュ ータ並の判決能力と銀色の人工眼球を持つ合成人間。 人間を遙かに越える身体能力や他人のDNAを取り込んでの 変身能力まである。単独での判決と刑の執行権限を持つ。
(*2)来栖川重工製の家政アンドロイドの試験機。パーソナルネー ムはマルチ。(To Heart(c)LEAF)人間との親和性を第一に 考えられ、人と同等の感情を持つ。機能優先の対抗試作機、 セリオと共に最終試験として一般の高等学校に派遣された。
(*3)カイパーベルトで発見された異星の戦闘機械のオーバーテク ノロジーを解析/研究する目的で建造された人工島の制御 人工知能。(Thunder Force V(c)Tecno soft)
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